はじめの一歩(Hajime no Ippo) 35巻 あらすじ・感想

ボクシング / 少年 / 講談社
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日本フェザー級の頂点を見据える幕之内一歩。本作第35巻では、積み上げた勝利が招いた慢心を根底から打ち砕く、冷酷なまでの現実が突きつけられる。鴨川ジムの魂を受け継ぐ一歩は、己のボクシングを貫くために、野生の本能と計算された技術を融合させなければならない。リングの四角いジャングルで、拳の重さだけでは計れない深淵に触れる一歩。強さの定義を自ら再構築する、静かなる覚醒の記録をその目に刻め。

⚠️ ネタバレを含みます。

対戦相手との激突は、一歩にとって単なる防衛戦ではない。それは、自分の拳が「世界」という巨大な壁に対してどれほど無力であるかを突きつけられる残酷な儀式だ。一歩は、デンプシーロールという必殺の武器に頼りすぎるあまり、足元の疎かさを突かれる。試合中、対戦相手の的確なカウンターが顎をかすめるたび、一歩の脳裏には鴨川会長の叱咤と、宮田一郎と交わした約束がフラッシュバックする。今巻のハイライトは、中盤の打ち合いで一歩が本能的に「視点の高さ」を変えた瞬間だ。単に打ち合うのではなく、相手の重心をコントロールし、己の心拍数を支配下に置く。勝利を確信した一歩の右拳が相手の顎を捉えたとき、そこに残るのは悦びではなく、さらなる高みへの渇望だ。一方、鷹村守は減量苦という自己との戦いを制し、王者としての孤独を深めていく。ジム内に流れる緊張感は、単なる勝負への執着を超え、彼らが背負う「強さ」という名の呪いとなって読者の心臓を締め上げる。

35巻、読んでて心臓が持ちません……。デンプシーロールに頼り切った一歩がカウンターを狙われ、世界という壁の重さに直面する姿が本当に痛々しくて。でも、視点を変えて相手を支配するあの覚醒の瞬間、鳥肌が止まりませんでした!強さを求めるがゆえの苦悩や、鷹村さんの減量苦から滲む孤独がもう尊すぎて……。戦う男たちの執着と業を突きつけられ、ページをめくる手が止まりません。限界の先を目指す彼らの背中を追いかけて、再読確定です。

著者森川ジョージ
出版社講談社
レーベル講談社コミックス
35巻35巻

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