ラストイニング(Last Inning) 33巻 あらすじ・感想

小学館
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甲子園という極限の舞台、その頂に立つための執念が火花を散らす。鳩ヶ谷圭輔が叩き込んできた非情かつ冷徹な戦術論は、ついに聖地の土を踏む彩珠学院ナインの血肉となった。対戦相手の猛攻、予期せぬ悪天候、そして重圧に押しつぶされそうな精神。すべてを掌中でコントロールしようとする監督と、泥にまみれながら活路を見出す選手たちの境界線が溶け合う。計算し尽くされた野球の果てに、勝利という名の果実をもぎ取る執念の全記録がここにある。

⚠️ ネタバレを含みます。

第33巻で描かれるのは、王道を歩む強豪校との熾烈な鍔迫り合いだ。鳩ヶ谷は、相手エースの投球フォームに潜むわずかな癖を突くため、あえて守備位置を極端に変える奇策に出る。データだけでは測れない「揺らぎ」を読み取り、ベンチから執拗なまでの心理戦を仕掛ける鳩ヶ谷の言葉は、まるで呪いのように選手を操る。しかし、今回は相手の捕手もまた鳩ヶ谷以上の策士であり、サインの裏を読まれるという泥沼の読み合いへと展開する。バットが空を切るたびに積み上がる重圧の中、彩珠学院の四番が覚醒する。それまで徹底して変化球を待ち続け、相手バッテリーに「直球はない」と思い込ませた瞬間に、狙いすました直球を強振。打球は夜空を切り裂き、球場を静まり返らせる劇的な一撃となった。だが、試合はそれで終わらない。勝利を目前にしてマウンドに降り立ったのは、チームの秘密兵器である一年生投手。彼の握るボールは、鳩ヶ谷さえも予期せぬ変化を見せ、観衆の度肝を抜く結末を導くことになる。戦略と本能が交錯し、勝負の神様がその微笑みをどちらに向けるのか。ページをめくる指が止まらない、極上の野球ドラマが完結へ向けて加速する。

鳩ヶ谷監督の冷徹な策士っぷりが冴え渡る33巻、脳が震える……。相手捕手との読み合いでヒリつくベンチ裏の攻防、尊すぎる。四番の覚醒シーンでは鳥肌が止まらず、夜空を切り裂く一撃に全私が泣いた。極めつけはラストの一年生投手。鳩ヶ谷の手のひらから零れ落ちるようなその魔球、未知の領域すぎて心臓持ってかれた。戦略と本能がぶつかり合う極限の心理戦、何度読んでも最高。まさに野球という名の耽美な呪いにかけられた気分です。結末へ向かう加速感が凄まじく、即刻再読確定。この緊迫感、全野球好きに摂取してほしい。

著者中原裕
出版社小学館
レーベル小学館コミックス
33巻33巻

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