ラストイニング(Last Inning) 42巻 あらすじ・感想

小学館
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甲子園という名の聖域、その頂点に立つための執念が、この一冊で結実する。鳩ヶ谷圭輔が叩き込んできた「勝つための野球」は、泥にまみれ、血を流し、ついに理屈を超えた。彩珠学院のナインは、強豪校の厚い壁を前にしてもなお、揺るがない。データと心理戦、そして個々の限界を突破する魂の叫び。選手たちの瞳には、勝利のその先にある景色が映っている。これは単なるスポーツ漫画の範疇を超えた、組織と個が極限で交錯する極上の人間ドラマだ。

⚠️ ネタバレを含みます。

ついに迎えた因縁の対決。対戦相手の猛攻により追い詰められた彩学だが、鳩ヶ谷の奇策は終わっていなかった。選手たちは、これまで叩き込まれてきた膨大なデータを身体に染み込ませ、直感で相手の隙を突く。特にエース・大宮の投球は、指先の感覚すら超え、打者の心を読む領域に到達する。守備位置のわずかなズレ、打者の重心のわずかな変化を逃さず、執念の守備で相手の得点機を潰していく。終盤、ベンチの鳩ヶ谷が見せたのは冷徹な計算ではない、勝利への剥き出しの飢えだった。打席に立つ主砲の一振りが、レフトポール際ギリギリで弾丸のように突き刺さる。打球の軌道を確認した瞬間、ベンチから全員が飛び出す。観客の歓声が途絶え、静寂が広がるグラウンド。泥まみれのユニフォームが、この試合がどれほど死闘であったかを物語る。鳩ヶ谷の「教え」が完成した瞬間であり、彼らがただの野球少年の集まりから、頂点を狙う戦士へと完全に変貌を遂げた証がそこにある。

ついにここまで……。彩学ナインの泥だらけの勇姿に、胸が締め付けられて涙が止まりません。大宮くんが打者の心を読み切る瞬間の鋭い眼差し、最高に尊すぎて語彙力が消えました。鳩ヶ谷監督の冷徹な仮面が剥がれ、勝利への飢えを露わにする姿に、彼がどれほどこの子たちに全てを懸けてきたのかが伝わってきて……尊い。そしてあの劇的な一振り!スタンドに突き刺さる打球を見つめる全員の表情に、戦士としての覚醒を見ました。ただの野球漫画じゃない、魂が震える人間ドラマです。この巻は家宝にします、再読確定です。

著者中原裕
出版社小学館
レーベル小学館コミックス
42巻42巻

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