おやすみプンプン(Goodnight Punpun) 11巻 あらすじ・感想

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プンプンの精神は、もはや修復不可能なほど粉々に砕け散った。神様という妄想も、愛した少女への執着も、全てが泥濘(ぬかるみ)のような現実の中に沈んでいく。かつて希望を抱いた少年は、いまや黒い羽を広げることもなく、ただ暗闇を塗り広げるだけの存在へ変貌した。復讐、殺意、そして救いなき逃避行。かつて世界を夢見た少年が、自らの手で完成させた地獄絵図がここにある。青春の残骸すら灰と化し、プンプンは最後の一線を越える。 \n\n 【編集担当からのおすすめ情報】 \n 連載時に賛否両論を巻き起こした凄絶なる最終章始動!\n黒く覚醒し、強靱な意志を手にしたプンプンの\n新たな物語にどうぞご注目ください。\nブックカバー+しおり付きプラス・アンコミックも同時発売です!"

⚠️ ネタバレを含みます。

11巻において、プンプンは愛子という呪縛から物理的にも精神的にも解放されることになる。彼女との逃避行の果て、辿り着いた先は安息の地ではなく、互いの歪んだ感情を剥き出しにする場であった。愛子は自らのアイデンティティをプンプンに委ね、破滅的な結末を望む。プンプンはそれを拒絶するどころか、彼女の狂気を受け入れ、さらなる深淵へと引きずり込んでいく。かつて彼が思い描いていた「普普通通」の人生は、愛子の死という決定的な事実によって完全に絶たれた。プンプンの手には、もはや何一つ残されていない。残るは、自らの人生を汚物のように撒き散らし、無様にも生き延びようとする獣のような生存本能だけだ。彼は街を彷徨い、かつての知人や友人の残影と対峙するが、そこにあるのは冷笑か、無関心か、あるいは憐れみ。プンプンが最後に見つけるのは、神様の不在ではなく、自分自身という名の、あまりにも脆弱で卑小な「正体」そのものだ。全てを焼き払った後の焦土に、少年は初めて自らの足で立つことになる。

プンプン、もう本当に無理……。愛子ちゃんという呪縛から解放されたはずなのに、その代償が過酷すぎて胸が締め付けられる。二人が辿り着いた果てが、救いではなく狂気の共有だったなんて。プンプンが愛子ちゃんの死という事実を抱え、獣のように無様に生き延びようとする姿には、ただただ圧倒されて言葉を失う。かつての普普通通を夢見た少年はどこへ。全てを焼き払った焦土に立つ彼の背中はあまりに痛々しくて、でもそこから目が離せなくなる。この絶望的なまでの美しさに、心を持っていかれました。再読確定です。

著者浅野いにお
出版社小学館
発売日2012-11-30
11巻11巻

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