ラストイニング(Last Inning) 9巻 あらすじ・感想

小学館
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弱小野球部を導く鬼監督・鳩ヶ谷圭輔が、冷徹な計算と極限の心理戦で甲子園の頂点を目指す。今巻、彩珠学院の前に立ちはだかるのは、圧倒的なフィジカルと組織力で県内を席巻する絶対王者・聖母学園。選手の疲労がピークに達する中、鳩ヶ谷はエース・大宮の温存を捨て、あえて捨て駒を先発に送り込む。勝つためなら手段を選ばず、敵の心理を完全に掌握する。「常識」を覆す采配が、甲子園への血路をこじ開ける。勝負の裏側に隠された、痺れるほどの頭脳戦を刮目せよ。

⚠️ ネタバレを含みます。

聖母学園との激突は、開始直後から鳩ヶ谷の奇策によって戦場の様相を呈する。実力差は歴然だが、鳩ヶ谷は相手の強固なサイン交換を完璧に解読。ランナーの些細な癖を逆手に取り、内野守備を意図的に崩すことで、聖母の主軸打者たちから動揺を引き出す。特筆すべきは、これまで鳴りを潜めていた控え選手への執拗な詰めだ。鳩ヶ谷は彼らの心の隙を容赦なく突く「言葉の毒」で奮起させ、凡ミスを誘う罠を仕掛ける。試合中盤、聖母の監督が激昂し、王者のプライドが揺らぎ始めた瞬間、鳩ヶ谷の「完全なゲーム支配」が完成する。守備では無謀とも言えるシフトを敷き、攻撃ではあえてセオリー外のバントを強要する。相手は自分たちが何をされているのかすら理解できぬまま、鳩ヶ谷の手のひらで踊らされる。最終回、一打逆転の絶体絶命の局面でも、鳩ヶ谷はエース・大宮の眼光だけを信じ、聖母の四番を三球三振に仕留める冷徹な指示を出す。聖母という巨大な山を、一個の戦術で静かに、そして確実に崩し去る圧巻の巻だ。勝利の余韻に浸る間もなく、次なる刺客が忍び寄る。

聖母学園との激突、鳩ヶ谷監督の冷徹すぎる采配に心臓持ってかれました……。実力差を覆すべく相手のサインを完璧に解読し、心理を抉る言葉の毒で王者のプライドを粉々に砕く姿がもう尊い。特に控え選手を駒として操り、聖母の監督を動揺させる駆け引きには痺れっぱなし。極限状態でエース大宮に託す執念、そして四番を三球三振で仕留めるあの瞬間、鳩ヶ谷監督の手のひらで踊らされる快感に浸りました。強者が崩れ落ちる様を計算し尽くす頭脳戦、まさに圧巻。読み終えた後の高揚感が凄すぎて、もう再読確定です。監督の静かな闘志に心底惹き込まれる一冊でした。

著者中原裕
出版社小学館
レーベル小学館コミックス
9巻9巻

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